退職後に必要な知識

退職後は厚生年金から国民年金に切り替え|手続きや納付方法、未納したらどうなるかを解説

退職後の厚生年金から国民年金への切り替え

退職した後、しないといけない手続きを知っていますか?

スグに転職するなら別ですが、独立したり、少しの間休むという方はやらないといけない手続きがいくつかあります。

特に重要なのが

  1. 年金
  2. 健康保険
  3. 失業保険

の3つです。

今回の記事では「厚生年金から国民年金への切り替え」について説明していきます。

国民年金はどんな制度?加入は義務なの?

退職後の厚生年金から国民年金への切り替え

国民年金は国民年金法などによって規定されている公的年金のことですね。

年金制度は現役時代に被保険者として加入して保険料を納めることで、将来自分の生活を保証する年金を生涯受け取ることができる、社会全体で支え合う制度(理想)。
その中で国民年金は年金制度の基礎的な年金で、いわゆる年金制度の1階部分です。

厚生年金は国民年金にさらに上乗せされて給付される年金で、ほとんどの会社員はこれに加入し、保険料を納付しています。

会社員でいる場合、こちらは何もしなくても厚生年金に加入していて、納付も会社がやってくれています。

ですが会社を辞めて、別の会社に転職しない場合は、厚生年金からは脱退です。
厚生年金脱退後は国民年金に切り替えをして、納付も自分でしないといけません。

そもそも国民年金は加入しないといけないのか?

まず国民は国民年金に加入しないといけません。
国民年金法により、年金への加入と納付が義務付けられているからです。

具体的には、原則20歳以上60歳未満で日本に住む人は、全員が国民年金への加入が義務となっています。

各個人に基礎年金番号が振り分けられていることもあって、未加入や未納は必ずバレるので、サッサと切り替えるのがおすすめです。

国民年金の制度は3つ|自営業・無職は第1号被保険者に

日本の公的年金制度は働き方によって、加入する年金制度が変わってきます。
会社員だった時と辞めて無職になった時では制度を切り替えなければいけません。

第1号被保険者:国民年金のみに加入している方。自営業やフリーランス、学生、無職の方が該当します。

第2号被保険者:国民年金に加えて厚生年金や共済組合に加入している方。会社員として雇用され働く方や公務員の方が該当します。

第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている、年収130万円未満の配偶者の方。保険料を納めなくても国民年金の被保険者となり、年金の受給資格を得ることができます。

引用元:転職ならdoda(デューダ)

上の引用でわかるように、会社を辞めると「第2号被保険者から第1号被保険者に切り替え」になります。この第2号から第1号への切り替えが、厚生年金から国民年金への切り替えと言われている部分です。

独立して個人事業主になる、もしくは無職になる場合はこの第2号から第1号への切り替えをしないといけません。

まだ親や配偶者が第2号被保険者で、その扶養に入る場合は第3号被保険者となります。諸条件がありますが、扶養に入れるなら入ったほうがお得です。

切り替え手続きは退職後14日以内に、各市町村の国民年金窓口で

退職後の厚生年金から国民年金への切り替え

切り替えには手続き期間があります。
退職後14日以内です。

切り替えは各市町村役場の国民年金窓口で行えますので、必ず期間中に、できるだけ早く行いましょう。

切り替えに必要なもの

切り替え手続き時に各市町村役場の国民年金窓口に持参するものは

  1. 年金手帳
  2. 退職日が証明できるもの(離職票、健康保険資格喪失証明書、退職証明書など)
  3. 印鑑
  4. 身分証明書(運転免許証など)

以上4点です。

絶対に必要なので、忘れずに持っていきましょう。

切り替えが手続きが遅れた場合は?

もし切り替えが退職後14日以内に行えなかったらどうなるか?

特に罰則はありません。

ですが、できるだけ早く各市町村役場の国民年金窓口に相談して手続きを行いましょう。
2年分は逆上って納付できますので、多少切り替えの手続きが遅れてしまっても、大きく困ることはありません。
退職書類の到着が遅くなる場合もありますしね。

手続きを忘れてしまっている場合は?

もし手続きを忘れてしまっている場合は、国民年金機構から国民年金加入の届書が送られてきます。

各個人に基礎年金番号が割り振られていて、厚生年金脱退後に国民年金の加入記録がない場合に送付という仕組みです。

ただし未加入がすぐ発覚するわけではなく、多少のタイムラグが出る場合もあります。
タイムラグがある場合は未加入期間の一括納付書が届きますので、一気に高額出費となることもあります。
もし扶養者がいたら、めちゃめちゃ高額になります。

一括請求された保険料が払えない場合や請求を無視した場合は、その期間が未納期間となってしまいます。

こういったことを防ぐためにも、キチンと14日以内に厚生年金から国民年金に切り替えておくようにしましょう。

転職先が決まっている場合

転職が決まっている場合は、2通りパターンがあります。

  1. 退職日翌日に転職先の厚生年金に加入
  2. 転職先の厚生年金に加入するまで日が空く

①の場合はこちらですることは何もありません。
すべて転職先の会社がやってくれます。

②の場合は一度国民年金に切り替えが必要です。
この切替手続きは自分自身が行うことになります。
転職先が決まっている場合、日が空くことはあまりないと思いますが、退職後に転職活動をする場合は注意しましょう。

配偶者がいる場合

被扶養者(扶養されている)の配偶者がいる場合も手続きが必要です。

配偶者が被扶養者の場合、その配偶者は第3号被保険者ということになります。

まず退職後に扶養者がスグ転職する場合、扶養者は転職先の厚生年金に加入することになります。
その場合、被扶養者は扶養者が退職した会社を通じて手続きが必要です。

手続きには、

  1. 年金手帳
  2. 基礎年金番号通知書
  3. 年間所得が130万円以下であることを証明する書類

が必要となります。

扶養者がフリーランスになったり無職になる場合は、扶養者は国民年金へ切り替えですね。
国民年金には扶養制度がないので、被扶養者も国民年金への切り替えが必要になります。

未納するとどうなる?最悪強制徴収

退職後の厚生年金から国民年金への切り替え

ちなみに未納すると強制徴収されるリスクがあるので払っておくのが無難です。
財産の差し押さえなんて嫌ですよね(^_^;)

未納者に対する強制徴収も強化されていて、対象基準も拡大しています。
>>年金未納者の強制徴収 対象拡大へ:朝日新聞デジタル

実際に強制徴収されるには以下のようなステップがあります。

  • STEP1
    催告状の送付

    まずは未納の人に対して、年金事務所から電話や戸別訪問、催告状の送付で保険料を納めるように連絡が入ります。

    これらには法的拘束力がないので、無視しても罰則などはありません。

    ですが、ここが最後のタイミングとも言えます。

  • STEP2
    特別催告状の送付

    催告状の納付期限に納付していない場合、次は特別催告状が届きます。

    特別催告状にも納付期限までに保険料を支払う旨が書かれており、財産の差し押さえについても言及されています。

  • STEP3
    所得調査

    特別催告状の期限にも支払いをしていない場合、年金事務所が本人や世帯主、配偶者の所得調査をします。

    調査の結果一定以上の所得がある場合、何度も保険料を納付するように連絡したにも関わらず、納付をしなかったとみなされます。

  • STEP4
    督促状の送付

    調査後、スグに差し押さえが始まるわけではなく、まずは督促状が送付されます。
    差し押さえ前に納付を促す督促状を送るように法律で決まっているためです。

    督促状に記載されている納付期日を過ぎた場合は延滞金が課せられます。

  • STEP5
    差し押さえ予告通知書

    督促状の期日までに納付がなかった場合は、差し押さえ予告通知書が届きます。

    財産の差し押さえで滞納分を強制徴収するという予告です。

    差し押さえ予告通知書は本人だけでなく、連帯納付義務者(世帯主や配偶者)にも届きます

  • STEP5
    差し押さえ

    ということで保険料納付の催告を何度も無視し、滞納している保険料を支払うことができる所得があると判断された未納者は、預貯金等の財産の差し押さえが強制執行されます。

まぁ普通はここまで無視しないと思いますが、収入があるのに納付をしていない方は後で酷い目にあいますよ(^_^;)

未納の場合は障害年金と遺族年金も受け取れない

また国民年金には老後にもらえる「老齢年金」だけではなく、

  1. 障害年金
  2. 遺族年金

という年金もあります。

障害年金と遺族年金は国民年金を一定期間以上納付していないと受給できません

一定期間とは

【障害年金】

  1. 加入期間の2/3以上納付していること
  2. ①を満たさない場合は、直近①年間に滞納期間がないこと

【遺族年金】

  1. 加入期間の2/3以上納付していること

つまり国民年金を支払っていないと、何かのアクシデントで障害を負った場合に本来もらえていたはずの障害年金をもらえなくなりますし、遺された家族が遺族年金を受け取れません。

「年金は払った金額分返ってこないから損!」という声もありますが、払わないリスクはメチャメチャ大きいです。

突然何かの障害を負うことになると、今まで通りに働くことは難しいですしね…。
個人的には払っておくべきだと思っています。

第1号被保険者には保険料の免除・猶予の制度

もし払えないなら免除・猶予制度を活用しましょう。
免除期間中も年金加入年数に加算されるので安心です。

一定の条件はありますし、その期間分の給付は減ります。(免除額の半額)

ですが未納するよりはずっとメリットが大きい制度です。
10年遡って追納もできます。(加算金あり)

未納のままにしておくと、自分のリスクが高まる一方なので、経済的に厳しいときは免除・猶予制度を利用しましょう。

ちなみにこの免除・猶予制度は第1号被保険者のみ対象です。

免除・猶予制度を詳しく知りたい時はこちら
>>保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構

未納問題を調べてみた→3割以上の人が未納

話は少しずれますが、以前に未納率の問題がよく報道で見られましたよね。
あれってどうなってるんでしょうか?
気になったので調べてみました。

厚生労働省の資料によると、

2017年度の納付率は66.3%となっていました。
33.7%の人が未納…。
2013年度の納付率は60.9%ですので、徐々に改善はしてるんですがね…。

ちなみにこの数字は第1号被保険者の数字で、公的年金制度全体だとほんの3%だそうです。
会社員は給与から引き落としですから、ほぼ100%です。
(参考:公的年金制度全体の状況・国民年金保険料収納対策について

保険料と納付方法は?まとめて前払いするのがお得

退職後の厚生年金から国民年金への切り替え

国民年金保険料は毎年改定!来年のも決まってるよ

国民年金保険料は毎年改定されています。

2018年の保険料は1万6,340円。

2017年より150円安くなっています。
もっと前から見ると、ジワジワ上がってきていますが(^_^;)
2019年からは1万6,410円と今年から+70円です。

以下のリンクに推移も載ってますので、貼っておきますね。

納付方法は3通り!口座振替かクレジットカードがお得

納付方法は以下の3通りになります。

  1. 口座振替
  2. 納付書
  3. クレジットカード

では詳しく紹介していきます。

口座振替

口座振替だと払い忘れをしないので楽ですね。
日本年金機構によると一番お得な納付方法らしく、まとめ払いでの割引金額が一番大きいです。

手続きは年金事務所窓口で行えます。

納付書

納付書で期限までに金融機関、郵便局、コンビニなどで納付します。
またインターネットバンキングで電子納付もできます。

ただ納付書は払い忘れをしやすいので、おすすめできません。

また納付書もまとめ払いで割引はありますが、口座振替に比べて割引額が低くなります。

クレジットカード

クレジットカード払いでも納付ができます。
クレジットカードも払い忘れがないので楽ですね。

まとめ払いの割引金額は納付書と同額で、口座振替より低くなります。

ですが、クレジットカードだとポイントやマイルも貯まるので、ポイント還元率によってはこっちのほうがお得の場合もありそうです。

ぼくはクレジット払いで払っています。

保険料はまとめて前払いしよう!

国民年金保険料には「まとめて前払い」できる制度があります。

  1. 6ヶ月
  2. 1年
  3. 2年

の3通りで一番期間の長い2年が最もお得です。

2年払いだと

  • 口座振替払いの場合:1万5,650円
  • 納付書・クレジット払いの場合:1万4,420円

の割引になります。(※2019年の場合)
どの納付方法でも約1ヶ月分の割引になるので、とても大きくなります。

しかし納付する保険料は38万円弱と、こちらもかなり大きくなります。

ですので自分の経済状況に合わせて、できるだけ長い期間前払いするようにしましょう。

詳しくは以下のリンクを見てください。
>>国民年金保険料の「2年前納」制度|日本年金機構

ちなみに申し込みには期限があって、

  • 1年、2年払:2月末まで
  • 6ヶ月払:2月末、8月末まで

となっていますので、申込期限を過ぎないように注意してください。

まとめ|国民年金への切り替えはお早めに

退職後の厚生年金から国民年金に切り替え

国民年金と健康保険の切り替えはできるだけ早く行うのが重要です。

退職後の出費はなるべく減らしたいですが、忘れて未納になると、あとで面倒なことになります。
きちんと手続きはやりましょう。

どうしても余裕がない場合は、免除・猶予制度を活用しましょうね。
強制徴収とかめっちゃ怖いですし(^_^;)

また厚生年金から国民年金に切り替えすると、受給額が下がってしまいます。
受給額のちょい足しに「付加年金」という制度がありますので、切り替える際には付加年金も活用して下さい。

年金の他、退職後に手続きが必要な「健康保険」と「失業保険」については以下の記事をお読み下さい。

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